つわりは想像以上に過酷で、日常生活を根底から揺るがすものでした。
妊娠がわかってすぐの頃は、下腹部のはりに不安を感じながらも、「気にしすぎないように」と自分に言い聞かせて仕事をしていました。でも、6週目に入ると体の熱っぽさや吐き気がじわじわと始まり、サイダー味の飴だけが唯一の救いでした。仕事中もずっと舐めていて、それがあると少しだけ落ち着く気がしていたのです。
食事も次第に受け付けなくなり、油ものは全滅。卵雑炊や果物、きゅうり、いなり寿司、ちゃんぽんなど、消化にやさしいものしか口にできなくなりました。家では毎日吐いて、寝転んでいるだけの時間が増えていきました。
そして7週に入り、ついに「水すら吐く」という段階になり、体重はマイナス4キロ。
母が様子を見に来てくれて、ようやく産院に相談したところ「ケトンが出ている」と言われ、即入院となりました。最初は「10日で退院できるよ」と言われましたが、2週間たっても症状は改善せず。でも、「これ以上は転院しないといけない」と告げられ、金銭的な理由もあり退院を選びました。
幸い、実家が頼れる環境だったので帰省し、そこでまた2週間、気持ち悪さと闘うことに。食べ物の匂いが全てダメになり、特にマクドナルドのにおいは地獄のように感じました。
入院していたことで「母子連絡カード」をもらい、正式に休職できたことは本当に救いでした。
社会全体が「つわり=多少の吐き気」くらいに考えているのは、大きな誤解です。実際には、四六時中車酔いのような気持ち悪さが続き、しかも「これがいつ終わるかもわからない」。吐いても吐いてもスッキリせず、目を覚ましている時間そのものが苦痛でしかなかった。
だからこそ、私は声を大にして言いたい。
「つわりは甘え」でも「ちょっと気分が悪い程度」でもない。これはもう、明確な体調不良であり、休職やサポートが必要な“症状”です。もっともっと社会がこの現実を知り、妊娠中の女性に優しくなってほしいと、心から願います。
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